弁当屋キャラクターのちょっといい話

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キャラクターエピソード

彼女は町の弁当屋の元ヤンおばちゃんです。昔の名残が抜けないせいか、マスクの「×」が「弁」になって今も健在だったり、元ヤン時代の相棒の金属バットが弁当の食材のネギになってたり…。

彼女は学生時代、この町ではとんだ荒くれ者で有名でした。
誰に対しても横暴な態度にケンカの日々。

しかし、そんな彼女に好きな人ができたのです。

相手は同じ学校の超マジメ君（出会った経緯は長くなるので割愛）。
もちろんまったく不釣り合いの二人がうまくいくワケもなく、
そのまま卒業式の日を迎えました。二人の進路は、彼は県外の名門大学。彼女は何も決まっておらず、おそらく顔を合わすのが今日で最後になるというのは彼女も分かっていました。

彼女は告白する勇気こそなかったのですが、彼にお弁当を作って
いき、一緒に食べようと誘いました。

初めは驚いた彼でしたが、せっかくの好意なのでと誘いに応じる事と相成りました。
しかし、彼が弁当を口にすると仰天。その弁当の美味しいこと！
彼は一気に弁当を平らげ、本当に美味しいと何度も彼女を褒めました。

人から褒められた事のない彼女は嬉しくて泣いてしまいそうでした。
でもそこはヤンキーのプライド…人に涙を見せるわけにはいきません。

「また作るから」

とだけ告げその場を去り、それ以来二人が会う事はありませんでした。

あれから30年。彼女は彼との約束を果たすため、
今日もこの町で弁当を作っています。